何事もプロになるためには、才能だけではなく、「やり抜く力」こそが必須であることを、科学的見解を交えながら、分かりやすく解説しています。

弊社では、精神疾患の方のみならず、非行や不登校、ひきこもりなど、幅広い年代の子供たちの自立支援に携わってきました。その経験から考えてみますと、彼らに足りないのもまた「やり抜く力」ではないかと思います。

現代は、見た目が重要視される時代ですので、親も、表面的なしつけだけは、子供に教えています。たとえば、第一印象での人当たりの良さや、他者に対する接し方など、表面的な“見せ方”の部分です。

だからこそ、弊社が関わるようになった際に、最初の数ヶ月(­=スタートダッシュ)で見違えるように良くなる子供もいます。報告を受けた家族が絶句するほど、家にいたときとはまったく異なる顔を見せます。「親には悪いことをした」「自分が悪かった」などと反省の言葉を述べたりもします。

関わる専門家によっては、「(自分のおかげで)あっというまに良くなりましたね」と、子供を家庭に戻すこともあるかもしれません。しかし問題は、その状態をどこまで継続できるか? ということです。

大抵の場合、「良い子」の振る舞いは途中で息切れします。無理をして「良い子」を演じたときほど、反動は、すさまじいものがあります。弊社の経験で言えば、職場でトラブルを起こして職場放棄をしたり、嘘をついて逃げ出したり、といったこともありました。

このような経験から、「時間をかけて見守ること」の大切さを感じています。

そして、「やり抜く力」は重要ですが、そのためには子供の資質をよく見極め、自分らしくいられるレベルを、親もよく把握しておくべきです。子供の望まないことを強要したうえで、さらに「やり抜く力」まで求めたときには、子供の心を壊してしまいかねません。

本書では、やり抜く力の鍛え方も示されていますので、子育て中の親御さんには、参考になると思います。