精神障害をもつ娘の手足をしばり、監禁したとして、両親が逮捕されるという痛ましい事件が起きました。

33歳次女の手足縛り監禁した疑い、両親を逮捕 滋賀

次女(33)の手足を粘着テープで縛り、監禁したとして、滋賀県警は3日、滋賀県近江八幡市の無職の男(70)とその妻(69)を逮捕監禁の疑いで逮捕し、発表した。次女は同日午後、死亡が確認され、県警は監禁致死容疑の可能性もあるとみて調べている。

近江八幡署によると、2人は3日午前3~5時半、自宅台所で、無職の次女の両手足を粘着テープで縛って監禁した疑いがある。

3日午後1時10分ごろ、「手足を拘束した娘が冷たくなっている」と119番通報があり、消防署員らがかけつけたところ、次女は心肺停止の状態だったという。4日の司法解剖の結果、死因は窒息死だった。

一家は夫婦と次女の3人暮らし。次女は精神病を患っていたといい、夫婦は調べに対し、暴れたために縛ったと供述しているという。

引用:朝日新聞(2017年2月4日)

被害者となった次女が、どのような病気や病状だったのかは分かりませんが、ご両親の年齢から見ても、差し迫った状況であったことが推測されます。

弊社押川の著書「子供を殺してください」という親たち (新潮文庫)や、3月1発売の新刊子供の死を祈る親たち (新潮文庫)でも書いておりますとおり、弊社には、命のやりとりにまで至ってしまった家族からの相談が、数多く寄せられています。

親が子に手をかけるということは、あってはならないことですが、これまでの経緯を伺っていくと、同情を禁じ得ない部分も出てきます。

たとえば、弊社が携わっている対象者(30代男性)は、現在、精神科病院に入院中ですが、精神的に不安定になると、弊社事務所や押川の携帯に、何度も電話をかけてきます。それはもう、ひっきりになしに電話が鳴っているような状況です。電話に出ないと、留守電に20件も30件もメッセージを入れます。

第三者に対してもそうなのですから、家族に対しては、もっと激しい要求や、精神的な束縛もあるでしょう。最初のうちは、なんとか頑張って本人に対応していた家族も、やがて疲れ果ててしまい、思考力も奪われていきます。

家族にも心身を休める時間が必要です。たとえば介護であれば、施設入所まではいかなくとも、ショートステイを利用するといった手もあります。しかし精神障害者に関しては、そのような受け皿が少ないのが現実です。

先に述べた対象者の30代男性も、両親が作業所に通わせていた時期もあったのですが、異性関係のトラブルを起こし、すぐに出入り禁止となってしまいました。

また、グループホームや作業所などを利用する場合には、自治体に、障害福祉サービスの受給を認定してもらわなければなりません。本人が未治療のケースでは、まずは医療にかかること、病識(自分が病気であるという認識)をもたせることから始めなければならず、ハードルは高いと言えます。