以前、「家族自身の問題点に気づく①」として、家族側の問題点に触れましたが、まだピンとこない方のために、弊社の経験に基づく、「専門機関から嫌われる相談の仕方」を、具体的に述べることにしましょう。

① 相談先で、これまでの家族(主に親)の対応のまずさを指摘された際、素直に認めない

「あなたに何がわかるの」と反論したり、相手はヒアリング(聞き取り)のために事実の有無を聞いているのに、それには答えずに言い訳に終始したりする。

② 「どうせ、親の私が悪いと言うんでしょう(自分は悪くない)」という姿勢から面談に入る

おのずと被害者的な思考で相手の話を聞くようになってしまい、本題に行き着く前に「理解してくれていない。ここにはもう二度と相談にはいくまい」という気持ちになってしまう。結局は、自分が困る方向に進んでしまう。

③「客観的にみてどうか」という視点が欠けている

弊社の相談でよくあるのが、親は「勉強しろと言って育てた覚えはない」と言うが、子供の立場に立ってみると、直接的な言葉はなくとも、テストの結果が出た後の親の表情や、他者と比較する言動により、婉曲に親の価値観を子供に植え付けている。

④ 相手の質問に明確に答えない

対象者本人の話よりも、自分の話(自分が子供からこんなことをされて大変だ、とても辛いと言った話)を中心に話している。

⑤ 最初から丸投げの姿勢

しかもこのような家族に限って、「こちらはこんなに困っているんだから、そちらで何とかしてくださいよ! 専門家でしょ!」と、上から目線で、要求してしまうことが多い。

⑥ 結論の部分を、相手に委ねようとする

「どうしてほしい・どうすべきだ(入院させたいなど)」の結論の部分を、自分からは言わずに、相手に言わせようとする。

非常に厄介であるのは、家族がこのような相談姿勢に陥るケースほど、介入するにはハードルが高い事態(本人に自傷他害の恐れがある、家族間で殺傷事件にまで及んでいるなど)に、すでになっているということです。それゆえに家族も「本人から怨まれたくない」という気持ちが先行し、何かにつけて「おたくがそうしろと言ったのだから」などと、介入した者のせいにする発言をしてしまいがちです。

ここで申し上げておきたいのは、相談を受ける側も人間であり、「気持ち」があるということです。つまり相談を受ける側は、相談を受けた時点で、「信頼できる家族か?」「協力関係を結べる家族か?」ということを、見極めているのです。

次の一歩に進むためには、相談した相手に、「リスクを犯してでも助けてあげたい!」と思ってもらわなければなりません。もちろん、表面的にペコペコする姿勢をとればいいという話ではありません(相談を受ける側もプロですから、その辺りはすぐに見抜かれてしまいます)。

結局は、「家族自身の問題点に気づく①」で述べたように、家族自身が真摯に「家族の問題」に向き合えているか。そこに尽きるということを、改めてお伝えしたいと思います。