幼い子供が犠牲になる事件ほど、胸の痛むことはありません。

川内村の実家で生後19日の娘を殺害したとして、双葉署は16日午前8時20分ごろ、殺人の疑いで郡山市、母親の店員、容疑者女(31)を逮捕した。

逮捕容疑は15日午前3時ごろ、川内村の実家で、長女を殺害した疑い。容疑者は調べに対し「自分が殺した」などと容疑を認めた上で「育児に疲れた」という趣旨の供述をしているといい、同署が慎重に捜査を進めている。17日に送検する方針。

引用:福島民友2017/3/17

要因として推測されるのが、「産後うつ」です。産後うつとは、産後のホルモンバランスの変化や、育児への不安や重圧によって精神的に不安定になり起こることで、産後女性の約10人に1人が経験するといわれています。

この事件の容疑者も、出産後の体調不良を訴えていたといいます。

自宅や実家近くの住民らの話では、容疑者は震災前、富岡町のスーパーで働いていた。実家は原発事故で旧緊急時避難準備区域となり、家族は一時、郡山市に避難。容疑者は同市で夫と長女との3人暮らしで、事件当時は実家に戻っていた。

容疑者について実家付近の男性(61)は「おとなしくて優しい人だった。まさか地元で赤ちゃんが殺されるとは信じられない」と驚きを隠せない様子だった。近所の女性は「(容疑者の)母親から出産後、娘の体調が悪く、赤ちゃんもお乳を飲まないと聞いたので心配していた」と語った。

関係者によると、容疑者の母親は今月初めから実家に戻った同容疑者と長女の世話をするため仕事を休んでいたが「娘(容疑者)の体調が悪くなった」として1週間休みを延長していたという。

引用:福島民友2017/3/17

産後うつは、虐待や育児放棄、無理心中につながることもあるため、厚生労働省は2017年度より、産後2週間と1カ月の2回、健診を受ける際の費用の助成を始めています(それぞれ5千円が上限で、国と市区町村が半分ずつ負担する)。早めの健診を行うことで、不調の兆しを早期に見つけ、適切なケアにつなげることが目的です。

また、出産・子育てに関する無料の(電話)相談先としては、

日本助産師会 全国子育て・女性健康支援センター

日本保育協会 子育ホットライン ママさん110番

森永乳業 エンゼル110番

などもあります。

しかし、子供に手をかけてしまうほどの事態となると、母親本人も相当に追い詰められた状況にあります。産後うつでは、一般的なうつ病の症状に加え、新生児の養育も関わっているため、症状が急速に悪化し、衝動行為が高まることもあるといわれています。周囲の気づきと、早めに相談窓口や精神科医療やつなげるという選択肢が必要であることが分かります。

ここで、家族や周囲の方が陥りがちな過ちとしては、「見守る」「そっとしておく」という心遣いが、結果的に「放置」につながってしまうことです

弊社のような第三者からみると、本人の言動にサインが出ていることが明らかであっても、家族ほど本人の言動(「大丈夫だから」「そっとしておいてほしい」など)を過信し、大事として捉えていない場合が多いものです。

公的機関など第三者に介入を依頼することは、「万が一のことがあってはならない」という思いであり、母親本人や子供の命を守るためにも、周囲の人間がもちうるべき最大の関心です。結果として軽度であったとしても、真剣に向き合うことが、心を通わせるきっかけになりえるのです。