先日、yahooニュースに<人工知能が誰かの自殺を予測し、防ぐ日は近い──Facebookも注目するアルゴリズム>と題する記事が掲載されていました。記事によりますと、人工知能(AI)が声のトーンや生活パターン、ソーシャルメディアへの投稿といった膨大なデータを収集、解析することで、自殺を未然に防ぐための取り組が始まっているそうです。

ある研究では機械学習を使うことで、人が2年以内に自殺を試みるかどうかを80~90パーセントの精度で予測している。フロリダ州立大学の研究者たちは、テネシー州の200万人の患者の匿名化された電子健康記録を使用することで、鎮痛剤処方から年間のER(救急専門外来)訪問回数に至るまで、どの要因の組み合わせによって患者が命を絶つ可能性を最も正確に予測できるかをアルゴリズムに学ばせている。
(中略)
MITからスピンオフした企業でDARPAが資金提供を行うCogitoは、人の音声を聞くだけでメンタルヘルス状態を把握するアプリを現在試作している。「Companion」(コンパニオン)と呼ばれるソフトウェアは、ユーザーが1日に発するすべての言葉を“聞き取る”ことで、うつ病やそのほかの気分の変化を示す口調を見つけ出す。言葉の内容を分析するのではなく、コンパニオンは声のトーンや力強さ、よどみなく話すかどうか、そして会話への関わり具合を分析する。またユーザーの携帯電話の加速度計を利用して、ユーザーがどのくらいアクティヴに動いているかどうかも測る。これらは、うつ病を察知するための重要な指標だ。

引用:WIRED.jp 2017/04/03

日本ではまだ、身近に感じることが少ない人工知能(AI)ですが、海外ではすでに相当な進化の波が押し寄せています。

たとえば、AIの特性として、膨大なデータを瞬時に解析し、特徴や傾向、類似点や特異なケースなどを掴むことを得意とすることから、海外ではすでに、「裁判官AI」の登場や、大手弁護士事務所で業務の一部をAIに託すといった変化も起きているそうです。

それでは、メンタルヘルス含め、医療の現場において「人間の仕事」は残されるのでしょうか? 先日当ブログでもご紹介しました、「超一極集中社会アメリカの暴走(小林由美著)には、「コンピューターに代替されやすい職」の図表が掲載されています。その中で「ヘルスケア」は、代替されにくい職のほうに入っています。

しかし医療現場でのAI活用はすでに始まっており、<AIの医療応用、この1年――“医師の真価”を問う>の記事によれば、政府の積極的な支援のもと、AIを鑑別診断や救急医療に活用できるシステムを開発中とのことです。精神科医療の分野でも、大塚製薬と日本IBMが2016年6月に合弁会社「大塚デジタルヘルス」を設立、膨大なデータを統合・分析し、治療の質向上や情報共有につなげたいとしています。

となると、ヘルスケアの中でも、たとえば、病状の重い方への危機的介入、それに付随する対応など、「人」の力でしかできない部分だけが、「人間の仕事」として生き残っていく可能性がありそうです。

また、弊社ではとくに重篤な症状の患者さんへの社会的介入をおこなっておりますが、患者さんを支えていくに当たっては、信頼できる医療機関、グループホーム等施設との連携が重要です。
その経験から感じますことは、最後に行き着くところはその機関、施設云々ではなく、やはり「この人だから」(ドクターであったり、ソーシャルワーカーさんであったり、施設の職員の方であったり)というところが大きいということです。

弊社の押川も常々申していることですが、AIの発展により今後は、所属や肩書きではなく、その人自身にどれだけの力量があり、何を成しえるのか。その人そのものの真価が問われる時代がやってくるようです。