アメリカでは、経済的な問題の増加により、830万人以上の人が精神障害に苦しんでいるそうです。

最近の調査の結果、アメリカで800万人以上が精神混乱に悩まされていることが明らかになりました。

フランスの新聞ル・モンドによりますと、精神科医のサービスに関する雑誌が17日月曜に発表した調査の結果、830万人以上のアメリカ人が精神障害に苦しんでいるということです。

この調査の結果からはさらに、アメリカの総人口の3.4%が医学的なケアを必要とするうつ病やストレスを抱えていることが分かっています。

この報告によりますと、アメリカ人の間での経済的な問題の増加が、彼らの生活や行動に悪影響を及ぼしているということです。

この調査は、およそ20万人のアメリカ人を対象として行われたものです。

引用:Pars Today 2017年04月18日

経済不況とメンタルヘルスの関連については古くから指摘されるところであり、日本でも、バブル経済の破綻後には、経済不況と自殺者数の相関が統計からも明らかにされています(ちなみに日本では、1998年以降、年間の自殺者数が3万人を越えることが続いていましたが、2003年の3万4427人をピークに減少傾向で、16年は2万1897人となっています)。

なお、アメリカの経済事情について、以前ご紹介しました「超一極集中社会アメリカの暴走」には、以下のように書かれています。

2008年の金融危機から回復する過程で、アメリカの企業収益は大きく増えました。製造業の復活と言われているとおり、製造業の縮小にも歯止めがかかってきました。経常収支の赤字幅も減り、それらの改善を反映して株価も大幅に上がり、ドルの価値も上がりました。またしてもアメリカの一人勝ちかと見えるような数字ばかりです。

引用:超一極集中社会アメリカの暴走(小林由美著)

つまりアメリカにおける精神障害の増加は、アメリカ全体としての経済事情というよりは、「格差」によって起きている問題であると言えそうです。

対して日本はどうでしょうか。貧困、格差といったワードは頻繁に目にするようになりましたが、社会全体の危機感としては薄いようにも思います。政府は2020年の東京オリンピックに向けて邁進し、東京を中心にどこか浮き足だっている雰囲気もあります。実態があらわになるのは、オリンピック後、ということなのかもしれません。

経済事情の悪化が精神にもたらす影響は、家庭においても同様と言えます。押川の著書「子供の死を祈る親たち (新潮文庫)」でも触れておりますとおり、親子のコミュニケーションが「金銭のやりとりのみ」になってしまったとき、それは家族の問題の最終形と言えます。

弊社の経験上、社会参加ができず問題行動を繰り返す子供や、長期にわたりひきこもる子供に対して、親が金銭を供給してあげられるうちは、いびつながらも日々の暮らしを維持できています。

ところが親が会社を定年退職したり、リストラや病気などで仕事ができなくなったりして、金銭の供給ができなくなる(あるいは、その可能性が出てくる)と、子供の不安は増大します。結果、親を脅して預金通帳や年金口座を奪い取ってしまったという事例もありました。

今後、日本経済が右肩上がりに良くなるとは考えにくく、むしろオリンピック後に破綻を来す可能性が高いことは、多くの専門家が指摘しています。国の経済事情が悪化すれば、医療保険や福祉など公的サービスも受けにくくなることは間違いありません。

ほんの数年後のことを思うと、社会参加ができず問題行動を繰り返す子供や、長期にわたりひきこもる子供を抱えている家族には、親が元気なうちに、そして社会(経済)が成り立っているうちに、先々の道すじを作ってあげてほしいと願うばかりです。

近年は、高齢化したひきこもりのライフプランに関する書物(例:高齢化するひきこもりのサバイバルライフプラン 親亡き後も生きのびるために)なども出版されています。また弊社では、資産の管理や記録、それを子供に伝える手段として、「マイノート」といったツールの活用もお勧めしています。

そして、精神疾患の疑いがありながら医療につながれていない方に関しては、障害年金や福祉のサービスを受けるにしても、まずは医療にかかることが先決です。

待ったなしの状態にある日本の経済事情を鑑み、行動に移していく必要があります。