msnニュースに、ブロン(咳止め薬)乱用に関する記事が掲載されていました。

 ブロンの有効成分であるリン酸ジヒドロコデインと塩酸メチルエフェドリン。前者はモルヒネに似た鎮痛作用があり、後者には覚せい剤に似た覚醒作用がある。もちろん麻薬と比べれば効き目は弱いが、大量に摂取すれば同様の影響があらわれる。A氏はブロンを飲むようになって3年、「月に4万円はブロンに費やす」という重度の市販薬乱用者だ。

麻薬や危険ドラッグの陰に隠れがちだが、A氏のような市販薬の乱用は数十年前から存在した。そして現在、問題は根絶されるどころか、ますます根深く社会に蔓延しようとしている。

引用:一日に700錠も…蔓延するせき止め薬「乱用」はなぜ、なくならないのか

押川の著書『「子供を殺してください」という親たち』には、ブロンを乱用した男性の話が出てきます(ドキュメント ケース7)。ただし、この男性がブロンを乱用していたのは30年近く前のことであり、その後、問題視され成分が変更されたはずですが、今なお乱用が続いているそうです。

記事の中では、乱用による身体的影響について、警笛を鳴らしています。

その先に待つのは「無動機症候群」だ。通常、私たちが「何かをしよう」と意欲を抱くとき、体内で生成されるドーパミンを脳が受容することによってそれが起きる。だが、薬物によって日常的に脳を刺激していると、脳が形態学的な変化を起こし、通常の量のドーパミンでは機能しなくなる。結果は、慢性的な虚脱状態、社会生活は無理だ。ここまで事態が進行すると、薬をやめても健康な状態に戻ることはない

なお、押川の著書に出てくるブロンを乱用していた男性は、他の薬物乱用もあり、弊社の介入により医療につながったものの、入院治療中に原因不明の突然死を遂げています。市販薬といえども、用法を守らずに乱用すれば、心身に与える影響は計りしれません。そのことを今一度、認識しておきたいと思います。

なおブロン等市販薬への依存についても、薬物依存と同様、精神科での治療対象となっています。記事中にあるように、本人が治療を拒んでおり、家族が悩んでいるような場合には、管轄の精神保健福祉センター(保健所)に相談にいくよう勧められています。

また、平成26年度からは、厚労省が予算を組み、依存症治療拠点機関設置運営事業なども行われています。依存症拠点機関事業のHPでは、依存症専門病院のリストや自助グループの情報などが掲載されています。