押川のツイッターでもピックアップしたニュースですが、東京・台東区の住宅から白骨化した遺体が見つかり、警察はこの家に住む56歳の女性とみて調べを進めているそうです。参考:フジテレビ系(FNN)2017/05/19

なお、住宅には女性の兄と妹が同居していたとのことで、世間一般では「白骨化するまで気づかないなどということが、あるのだろうか」と疑問の声が上がっています。

しかし別のニュースによると、近隣住民の話として、女性が心の病気を患っていた可能性がとりあげられており、おぼろげながらこのきょうだいの生活が垣間見えるように思います。

「かなり前ですが、活版印刷の円盤を製造していた両親が亡くなり、きょうだい3人で暮らしていた。お姉さんは心の病を患っていたようで、自宅に引きこもりがち。近所で道路工事などがあると、『うるさい』と怒鳴ったり、感情の起伏が激しかった。感情が抑えきれないようで、家の中からわめき声が聞こえてくることもありました。1年ほど前からそれもパッタリ聞こえなくなったので、てっきり精神的に落ち着いたと思っていたのですが……」(近隣住民)

引用:日刊現代2017/09/19 上野・白骨化遺体 ひとつ屋根の下で数カ月発見されずの怪

弊社には、本人がうまく医療につながれていないケースに関して、親だけでなくきょうだいからのご相談が多くあることは、以前にも触れました。

弊社の場合、相談にこられるきょうだいの大半は、(本人や親とは)別居している方になりますが、それは、離れて暮らしているからこそ本人や実家の窮状が理解でき、「何とかしなければ」と考えるだけの思考力、行動力が保てているということなのかもしれません。

中には、「実家には本人と親以外に、別のきょうだいが同居しています」とおっしゃる方もいます。この場合、本人と同居しているきょうだいは、「困った」という思いがあるのは事実ですが、もともと本人と不仲であることが多く、病気に気づいたときには説得も難しい関係となっており、一切関わらずにいるなど、現実的解決のために動ける立場ではないことが多いです

早期発見や早期治療がうまくいったケースは別として、医療や支援につながれないまま年数が経つなどしたケースでは、渦中にある家族も疲労困憊し、正常な判断能力を失っています。現実として、(本人に病識がある場合を除き)本人と適切な支援を結びつける「要」は家族でしかありませんが、家族だからこそ、限界があることも事実です

なお、偶然ではありますが、本日発売の月刊コミック@バンチ7月号では、まさに「きょうだい」からの相談事例を取り上げています。本人の様子に近隣住民が気づいていたことなど、台東区の事件にもとても近いものがあります。

また、押川執筆の現場ノートでは、このような環境にある家族に近隣住民が気づいたとき、利用できる制度(一般申請)と、その問題点について解説しています。こういった事件が他人事ではなくなってきたからこそ弊社は、法律(精神保健福祉法)や制度についても、市民の方々に広く知っていただけるよう、今後も発信を続けてまいります。