「ストレスがあった」万引のマラソン元日本代表を起訴 化粧品など窃盗の罪

陸上の世界選手権女子マラソンの元代表で契約社員、原裕美子容疑者(35)=栃木県足利市=がコンビニエンスストアで化粧品など計約2600円相当の商品を万引したとされる事件で、宇都宮地検足利支部は6日、原容疑者を窃盗の罪で起訴した。被害額は少ないが悪質と判断したとみられる。

引用:産経新聞 2017年9月6日

女性が繰り返す万引きの背景に摂食障害があることは珍しくありません。ジャーナリスト江川紹子氏の取材「女子マラソン元日本代表の万引き事件からみる、女子アスリートと摂食障害の問題によると、原容疑者も、京セラに在籍していた時に摂食障害を発症していたことを明かしています。

摂食障害は、生死に関わる疾患でありながら、病識をもつことが難しい病気の一つであると言われます。その患者数は、1980年代からの20年で約10倍の増加がみられ、とくに1990年代後半の5年間だけで、神経性食欲不振症(AN;神経性無食欲症、神経性食思不振症、思春期やせ症)は4倍、神経性過食症(BN;神経性大食症)は4.7倍と急増しています。医療機関をすすんで訪れるのは一部であるため、実際の数はもっと多くなることでしょう(厚労省HPから抜粋)。

厚労省は摂食障害対策の推進のため、平成26年度に、3年間のモデル事業として精神保健等国庫補助金 摂食障害治療支援センター設置運営事業を開始。独立行政法人国立精神・神経医療研究センターを摂食障害全国基幹センターに指定しました。

 (読売新聞から抜粋)

ところが、治療支援センター(5ヶ所)のうち、決まったのは静岡県(浜松医大病院)、宮城県(東北大病院)、福岡県(九州大学病院)に開設されたのみで、残る2か所の治療拠点はいまだに決まっていません。1カ所当たり約600万円の運営費の半分を自治体が負担する仕組みのため、いくら病院が積極的でも、自治体で予算が確保できないと手は挙げられず、順調に進んでいるとは言い難いのが実状のようです。

なお弊社では、ほかの精神疾患(うつや物質乱用など)を患い、その症状の重さから家族が入院治療を希望している女性患者さんのご相談を受け、医療機関のコーディネート等に携わることもありますが、摂食障害を併発している女性患者さんの場合、入院治療を断られることが多くあります。

「うつや物質乱用などの治療はできても、摂食障害には対応できない」というのが、その理由です。このことからも、摂食障害の治療にはより高い専門性が必要であることが分かります。とはいえ、摂食障害があるという理由で、ほかの精神疾患の治療まで適切に受けられないとなると、本人および家族は、ますます行き場を失うことになります。

(このブログは次回に続きます。)

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