先月(9/22)に放送されましたNHK「おはよう日本」では、弊社が携わった当事者への取材も行われ、強迫性障害の方が登場しました。

強迫性障害を発症する原因は、脳の機能障害にあると言われることもありますが、まだはっきりとは分かっていません。

弊社が関わってきた事例でいえば、発症を機に不登校やひきこもりとなり、未受診のまま年数を経て症状が悪化しているケースが多く見られます。本人自身も不安やこだわり等の症状を家族に説明できず、同時に家族が本人の強迫症状を強化するように振る舞っていることも多く、重症化してしまっているのです。

「おはよう日本」に登場した方は、精神科病院での入院治療を経て、日常生活が送れるほどにまで回復しました。そこで弊社には、「どこの病院で治療をしたのか教えてほしい」というお問い合わせもありました。

もちろん、精神科病院の中には、強迫性障害に特化した治療を行っている病院もあるでしょう。薬物療法や認知行動療法の進歩、病態の理解などが進む一方、成人発症の強迫性障害の場合や、他の精神疾患との併存障害がある場合には、予後が悪いことも少なくありません。よって、発症してからすでに長い年月が経っているような事例や、通院治療はしているがなかなか改善せず、医療機関を転々としているような事例においては、治療と並行して、ご本人のおかれている環境を見直す必要もあると思います。

ちなみに患者さんの多くは、発症の契機として「ストレスフルな環境」(対人関係のトラブル、仕事のストレス、妊娠や出産などライフイベント等)を挙げるといいます。幼少期からの親子関係の問題があるとすれば、それも充分にストレスフルな環境となりえると言えるでしょう。

とくに、強迫性障害にパーソナリティ障害などの人格的病理も併存しているケースでは、本人の強迫行為(こだわりや儀式行為、トイレや風呂に入れないなど)に暴力行為が伴い、家族が巻き込まれて日常化するなど、本人も治療意欲が持てなくなる状況に陥ってしまいがちです。

そのような場合、親子間で距離をおくことが本人のストレスを軽減し、治療の手助けとなることがあります。そのためにも、まずは親自身がこれまでの生育歴や親子関係をふり返ってみることが重要ですが、このような家庭では、親もあちこちに相談に行き、良い治療があると聞けば遠くまで足を伸ばすなどしているため、「子供のために最大限のことをしている」という自負があります。

その努力は否定されるべきではありませんが、そこにこだわりすぎてしまうと、親子関係における不健全さが見えにくくなってしまいます。ご本人の苦しみの根っこにあるものは何か。回復や自立を阻んでいる要因は何か。客観的な視点で考えてみてほしいと思います。今の精神科病院は、親子関係など家族の問題には介入しないことが主流となっていますから、なおのこと、治療と並行して、親自身が家族の問題に向き合っていかなければならないのです。

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