「マトリズム」を読みました。『「子供を殺してください」という親たち』作画担当、鈴木マサカズ先生の新刊です。

ふとしたことから違法薬物に関わってしまう、市井の人々が描かれています。「ドラッグなんて、自分(や我が子)には絶対に関係ない!」と思っている方にこそ読んでほしい、リアルさがあります。

「マトリズム」第1巻で扱われているのは、大麻やMDMA、覚せい剤などの違法薬物ですが、依存性の高い薬物は、それだけに限りません。たとえばアメリカでは今、オピオイド(処方鎮痛剤)依存が深刻な社会問題になっていると言います。

米国で深刻な処方鎮痛剤の乱用問題

薬物とは異なりますが、日本では、エナジードリンクに依存し、カフェインを過剰摂取する子供の異変について、取りあげられています。

エナジードリンクを飲む子どもたちに起きている「異変」

経済的にも精神的にも余裕がなく、生きづらさを感じる現代だからこそ、違法薬物を含む依存の問題については、常に「我がこと」として考えていかなければならないと感じます。

なお「マトリズム」では、鈴木先生特有のセリフ回しや、ユーモアも遺憾なく発揮されていて、エンターテイメントとしてもとても面白かったです。主人公である草壁と冴貴のマトリコンビの微妙な関係性も気になるところです。

仕事柄、実際の麻薬取締官にお目にかかったことがありますが、警察官とはまた異なる、独特の雰囲気を放っていました(なお、麻薬取締官は厚生労働省の職員で、麻薬及び向精神薬取締法により、特別司法警察職員としての権限が与えられています)

マトリコンビが今後どんな風に活躍していくのか……、二人のキャラを見る限り、“活躍”も一筋縄ではいかないように思います。相棒(バディ)ものが好きな方にもお勧めの漫画です。