ゲーム依存が、「Gaming disorder」(ゲーム症・障害)として国際疾病分類(ICD)に盛り込まれることになりました。

ネットゲーム依存、疾病指定へ WHO定義、各国で対策

インターネットゲームなどのやり過ぎで日常生活に支障をきたす症状について、世界保健機関(WHO)が2018年、病気の世界的な統一基準である国際疾病分類(ICD)に初めて盛り込む方針であることがわかった。国際サッカー連盟(FIFA)主催の世界大会が開かれたり、五輪への採用が検討されたりするなどネットゲームが広く普及する中、負の側面であるネット依存の実態把握や対策に役立てられそうだ。

WHO関係者によると、18年月の総会を経て、6月に公表を予定する最新版のICD―11で、「Gaming disorder」(ゲーム症・障害)を新たに盛り込む。17年末にトルコで開かれた依存症に関する会議で、最終草案を確認した。

最終草案では、ゲーム症・障害を「持続または反復するゲーム行動」と説明。ゲームをする衝動が止められない▽ゲームを最優先する▽問題が起きてもゲームを続ける▽個人や家族、社会、学習、仕事などに重大な問題が生じる――を具体的な症状としている。診断に必要な症状の継続期間は「最低12カ月」。ただ特に幼少期は進行が早いとして、全ての症状にあてはまり、重症であれば、より短い期間でも依存症とみなす方針だ。

ゲームを含むネット依存はこれまで統一した定義がなく、国際的な統計もなかった。新しい定義は各国での診断や統計調査に役立てられる。厚生労働省の国際分類情報管理室も「公表から数年後にICD―11を統計調査に使う」としている。

(引用:朝日新聞 2018年1月3日)

「子供がゲーム依存なんです」という相談は、弊社にもずいぶん以前よりありました。しかし、正式な病気として認定されていないこともあり、2011年に久里浜医療センターがネット依存治療研究部門(TIAR)を開設するまでは、親が精神科に相談に行っても相手にされないか、または「発達障害」などと診断されることが多かったように記憶しています。

弊社では、「学校(会社)に行かずゲームばかりしている」子供(若者)に携わったこともありますが、今にして思うと、「ゲームのせい」で社会生活が送れなくなったというよりは、親子関係も含め、社会との健全なつながりを失った先に、没頭できる物として「ゲーム」があったという印象がありますそして今の世の中には、一人で没頭できる対象が、ゲームだけでなく、インターネットやスマホ、SNSなど多様化しています。

病気として分類されたとして、重要なのは、それを治療する方法が確立されるのか?ということでしょう。今の日本では、薬物依存やアルコール依存など「依存症の代表」というべき病気に対しても、専門の治療機関は多くはありません。

一家を破滅させる「孤独病」』(浅川雅晴著)によれば、子供たちが多くの時間を機械類(スマホ、ゲーム、パソコン等)に触れることで、睡眠障害が起こり、落ち着きがなくなったり、イライラしたりしがちになると述べられています。その先にうつ病や心身症があり、さらには、うつ病や心身症の薬も効かない「孤独病」の存在が指摘されています

「孤独病」と名づけた理由は-「孤独病」の人が、親を困らせる。閉じこもる。働かない。好きなものは親のお金で買う。自分の好きなこと以外は全くしない。

 

孤独病は、人と逢いたくないという理由から、機械類に囲まれ生活していた。爆発力のストレスガスの威力を持つ病である。

ある日、予告なく、爆発させるストレスガスは、周りを巻きこんでしまう。

(引用:『一家を破滅させる「孤独病」』浅川雅晴著)

ちなみに孤独病の改善方法は、機械類に触れない、朝夕の散歩など季節を感じる生活をする、食生活を改善する…など生活習慣の改善でしかない、とあります。もっとも、本人がやりたがらないことがほとんどのため、改善方法は「無い」に等しいとも述べられています。臨床精神科医である著者は、

本当は! 親が高齢になる前に、息子を施設に入れ、閉じこもりをやめさせ、共同生活の中で、他人とのコミュニケーションがとれるまでフォローする。

とまで書いています。今の社会では、こういった提言も「極論すぎる」、「人権侵害」などと言われてしまいそうです。しかし著者は、このような症例に陥った子供たち、そして困り果てた家族をたくさん見てきたと思われ、並々ならぬ危機感を抱いていることが伝わります。

この本以外にも、最近の子育てに関する本を読むと、「原点回帰」している印象を受けます。つまりは、子供にとって、質の良い睡眠や食事、季節や自然を感じる生活、幼少期の親子のスキンシップがいかに大切かということです。

かつては「普通」であったはずの生活習慣も、意識を高く持たなければ手に入らないものになりました。スマホやインターネット、ゲームを手放せないのは、大人も同じであり、そもそも親自身が欲求をコントロールできているかどうかが、問われていると思います。

一日のうちほんのわずかな時間でもいいから、外部からの情報をシャットアウトし、子供と向き合う時間を持つ。その重要性をつくづく感じます。

 

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